【第4回】「オルカンか? S&P500か?」で迷ったおっさんが、50代を目前に気づいた「出口戦略」の真実。

「投資はペンキが乾くのを眺めるくらい、退屈であるべきだ。もし興奮を求めるなら、800ドル持ってラスベガスに行きなさい」 ―― ポール・サミュエルソン(ノーベル経済学賞受賞者)

インデックス投資を始める人が100%通る道があります。それが「オルカン(全世界株式)にするか? S&P500(全米株式)にするか?」という銘柄選びの迷いです。

例に漏れず、おっさんも情報を集めながら延々と悩んだ結果、気づけば証券口座の中にはオルカンとS&P500の両方が積み上がっていました。

資産を増やす時期(資産形成期)は、これで何の問題もありませんでした。『JUST KEEP BUYING』の言葉通り、毎月ひたすら積み立てるだけですから、当時は「どっちが儲かるか」を比べるゲームとして楽しんでさえいました。

しかし、50代に差し掛かり、いざ「出口戦略(資産の取り崩し)」が現実味を帯びてきた今、当時の自分を小一時間問い詰めたいほどの重大な盲点に気づいたのです。

証券口座の中にオルカンとS&P500が混在していると、将来いざ売却して生活費に充てようとした時、「今月はどっちをいくら売るべきか?」「現在のアセットアロケーション(資産配分)は崩れていないか?」をいちいち計算し、悩むハメになるのです。

セミリタイアして優雅に過ごしたいはずの時期に、またしても「脳のメモリ」を投資の計算に奪われることになります。

多くの初心者は「入り口(どちらが利益率が高いか)」ばかり気にします。ですが、インデックス投資の真のゴールは「出口(いかに脳のメモリを使わず、楽に取り崩して人生を楽しむか)」です。

そこでおっさんは、オルカンを解約し、S&P500に一本化することに決めました。証券口座の中身がシンプルになれば、将来はネット証券の「定期売却サービス(自動取り崩し)」を設定するだけで済みます。毎月、自分の手を汚すことなく、勝手に口座に現金が振り込まれる「疑似給料システム」の完成です。

複数保有時 1本化後
出口での作業 毎回、配分と売却額を計算 定期売却サービスを設定するだけ
精神的負荷 高い(脳のメモリを消費) 低い

投資をエンタメやゲームとして楽しもうとしてはいけません。サミュエルソンが言う通り、投資は徹底的に「退屈」でいい。

出口を極限までシンプルにする「1本化」の規律こそが、老後の自分を一番楽にしてくれる最大の優しさなのです。


⚠️ 投資リスクに関するご注意 投資には元本割れのリスクがあります。本連載は個人の経験に基づく情報提供を目的としており、特定の金融商品への投資を勧誘するものではありません。実際の投資判断はご自身の責任のもと、必要に応じて専門家にご相談ください。